<aside> 2007年より人材紹介業に従事し、日系大手・外資系大手の人材紹介会社にてコンサルタント・マネージャーとして経験を積む。過去に支援実績のある業種はソフトウェア・通信・金融・監査法人・コンサル等、職種はセールス・マーケティング・人事・広報・法務・エンジニア等、多岐にわたる。CxOレイヤー、グローバル人材の決定実績も多数。Pole&Lineには、2017年に入社。
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私がこの仕事を志した背景には、かつて友人が仕事中に突然亡くなったという衝撃的な出来事があります。「もし彼が別の職場を選んでいたら違ったのではないか」という悔しさが胸に残り、この経験を通じて、「適切な仕事選びが人生を守ることにもつながる」と考えるようになりました。
私自身も20代の頃、転職を繰り返してキャリアに悩んだ経験があります。キャリア選択の難しさを痛感し、自分と同じように苦しんでいる人が少なくないことも知りました。そこで「仕事を紹介する側」に立つことで、その悩みや迷いに寄り添えるのではないかと感じました。
登録していた紹介会社の担当者が熱心に転職をサポートしてくれた経験も大きかったです。今でも友人として関係性が継続しているような出会いが、今度は自分が誰かにとっての「良い出会い」を生み出す側になりたいという動機につながりました。
人材紹介業界は、会社ごとに紹介スタイルが大きく異なります。以前在籍していた人材紹介会社では「件数を重視する」方針が徹底されており、「企業と求職者の双方が納得してこそ紹介の価値がある」という私の信念と乖離がありました。
違和感を抱えていた頃、代表の斉藤から声を掛けられ、Pole&Lineが掲げる「本質的なマッチングにこそ価値がある」という理念に深く共感しました。ここなら自分の理想とする紹介業を追求できると感じ、入社を決意しました。
一つ目は「良質なサービスの提供」です。候補者と企業の双方に対し、誠実かつ丁寧に支援を続けることで、自然と信頼関係が築かれます。信頼は口コミとなって広がり、結果として質の高い企業や候補者との新たな出会いにつながると感じます。
二つ目は「継続的な取り組み」です。人材紹介業は景気や採用トレンドの影響を強く受ける業界であり、好調な時もあれば苦しい時期も必ずあります。短期的な成果や市場の変化に一喜一憂せず、着実に積み重ねることを意識しています。
三つ目は「唯一無二の強みを持つこと」です。特定の分野やポジションで他社に負けない強みを持つことが競争力を生むと考えています。ただ、成功体験には必ず賞味期限があるため、市場環境や技術の変化を柔軟に捉えて自分のスキルや手法を常にアップデートする必要があると思っています。過去の成功に固執しすぎず、常に新しい視点を取り入れることが重要だと感じます。
とりわけ印象深いのは、あるIT企業において、内側から採用を支援させていただいた経験です。社外パートナーという立場でありながら、採用チームの一員として、クライアント企業の名刺まで持たせていただきました。
普段はエージェントとして外側から伴走する立場であるがゆえに、見える景色や可能な支援が限定されます。しかしこの案件では、現場から経営層までの意思決定プロセスや採用プロセスを間近で体験することができました。
この経験以来、クライアントの内側の論理を想像し、企業と候補者とのあいだにある情報のギャップを埋めることを意識しています。エージェントであっても、「企業の一員になったつもりで向き合う」というスタイルをとることで、支援できることの幅が変わると実感した経験でした。
採用活動の難易度が年々上昇していることです。テクノロジーの進歩や転職市場の変化によるところもありますが、労働人口の減少と高齢化という構造的要因が最も大きな理由です。この状況は不可逆であり、今後さらに深刻化することが見込まれます。問題の背景を適切に認識しないまま従来の採用活動を続けても、成果が得づらくなると予想しています。
また人材紹介業は、参入障壁の低さから新規プレイヤーが増えやすく、さらにはテクノロジーの進歩も相まって、サービス品質にばらつきが生じていることも問題です。品質格差は業界全体の信頼性に直結するため、サービス品質の標準化と底上げが急務だと感じています。